山の恵みが紡いだビール コーヒーロースターが醸す『北アルプスブルワリー』
公開日test:20200309作成日test:20200309
new表示test:
北アルプスの玄関口、信濃大町駅近くに2019年にオープンした『北アルプスブルワリー』。スノーボードが縁で移住したブルワーの松浦さんに大町の水を使ったビールの魅力を教えてもらいました。 今登ってきた山、滑ってきた山、その山々の地中を通って育まれた水で醸造されたクラフトビールがある、ときいたら、ビール好きのアウトドアラバーズにとっては飲まずにはいられませんよね? 皆さんを代表して、飲んできました! 水がおいしいから、ビールがおいしい。 JR大糸線信濃大町駅。北アルプスの登山や黒部ダム観光の玄関口となる駅から徒歩15分ほどの場所に、そのブルワリーはありました。 奥の醸造所とバーの間にカウンターがあるシンプルな作りの店内 「お客さんの顔を見ながら会話ができるように、カウンター席をメインにしています」 と出迎えてくれたのは、ブルワーの松浦周平さん。スノーボーダーからコーヒーのロースター、そしてブルワーになったという異色の経歴の持ち主です。 初めての人にはまず“3種飲み比べ”をお勧めしているとのことで、早速、松浦さんおすすめのタップを注いでもらいました。 ライトラガーからIPAまでスタイルの異なる8種類のビールがラインナップ 左からコーヒーパンチ、氷河クリアスタウト、氷河ライトラガー “コーヒーパンチ”というネーミングにひかれて、まず一口。豆の芳ばしさがしっかりと鼻を抜けました。まさに、コーヒー味のビールです。その意外なマッチングに興奮していると、松浦さんが言いました。 「見た目を裏切れるぐらいコーヒーの味にしたくて、500リットルの水に対し、25kgの豆を使っています。普通に飲むコーヒーとほとんど同じ濃度です」 残りの2つのビールも非常に口当たりがよく、取材開始早々、飲んだくれてしまいそうでした。 北アルプスブルワリーの松浦周平さん。トレードマークのパンチパーマはメンテナンスが欠かせない 「お客さんには、“水がおいしいから飲みやすいんです”と伝えています」と、松浦さん。 大町の水道水は、山の水源地から取水された硬度12度前後の超軟水。窒素含有物などが極めて少なく、水質の美しさも県内ではトップクラス。浄水場もありません。その水の魅力を発信するために北アルプスブルワリーが作られたと言います。 ブルワリーで使用している水道水は「男清水」と呼ばれ、黒部ダム近くにある水源地から取水している 「ここの水で仕込むと、どのビールも角がなくてまぁるい、すっきりとした味に仕上がるんです。硬水で仕込んだ特有の苦味が好きな人には物足りないかもしれないけれど、ここでしかできないビールを作りたかったので、あえて“水を磨く”(硬度を上げる)といわれる水質調整をせずに、そのまま使っています」 珈琲屋からビール屋へ...