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リンクのテスト indextest【エッセイ】
24 山になるとき 〜野川かさね エッセイ〜
23 いつもの道で 〜野川かさね エッセイ〜
22 冬のにおい 〜野川かさね エッセイ〜
21 ホシガラス 〜野川かさね エッセイ〜
20 森の欠片 〜野川かさね エッセイ〜
19 白い世界 〜野川かさね エッセイ〜

News — エッセイ

24 山になるとき 〜野川かさね エッセイ〜

公開日test:20200127
作成日test:20201128
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今年もまた雪の時間が訪れた。 標高の高い山はこれから半年ほどのあいだ、 雪とともにある。 山はいつもよりも静かに緩やかに呼吸をしている。 そのペースに合わせるように、自分の歩みもいつもよりさらにゆっくりになる。 吐く息は白く、湿気を含んだその息がネックウォーマを濡らす。 木々に積もる雪が風に吹かれて、 太陽の光を受け、きらきらと光を放ちながら舞い落ちた。 森の中にはキツネやウサギ、テンなどの動物たちが 雪の上に無数の足跡をつけている。 苔や石楠花が寒さに身を縮めて、じっとしている。 そんな山の様子を写真にひとつずつおさめる。 そうしていると、どこにいるのか、 自分が自分なのか、わからなくなるほど 集中している感覚が訪れた。 まわりの世界と自分の区別がなくなり、 山にあるひとつのものとして存在している自分を感じる時間。 この瞬間がどうしようもなく好きだ。 その感覚のなかで雪の森にしばらく立っていると、 鼻と指先の冷たさが急に今ここに自分がいることを思い出させて、...

by 野川かさね
January 27, 2020

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