22 冬のにおい 〜野川かさね エッセイ〜
公開日test:20191209作成日test:20201128
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冬のにおいがする。 鼻のおくにツンと刺さる冷たい空気のにおい。 木々の隙間から細く、鋭い光のにおい。 土からあがる湿気に満ちた湯気のにおい。 小屋の煙突から立ち上る薪のにおい。 川の水しぶきが小枝の上で氷になる。 森の苔が凍っている。 その匂いたち。 鼻をくんくんと嗅がなくても、体全体から感じる冬のにおい。 その匂いで体がいっぱいになると 自分のすべての感覚がすっと姿勢を伸ばす。 そして、山は静かにきたる季節を自ら刻んでいる。 投稿 22 冬のにおい 〜野川かさね エッセイ〜 は .HYAKKEI[ドットヒャッケイ] に最初に表示されました。