「我慢しなくていい山小屋を作りたい」南アルプス・こもれび山荘
公開日test:20171225作成日test:20201128
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近年、改装してより快適に過ごせるように進化した山小屋が増えているのをご存知ですか?意図は山小屋によって様々で、ただ古いことや劣化だけが理由ではないのです。ある意味“次世代”とも言える山小屋にお邪魔して、改装にまつわるお話を聞く新連載がスタートします。 第一弾は、南アルプス・甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳の玄関口、北沢峠にある『こもれび山荘』。小屋内はぬくもりのある木材に囲まれ、薪ストーブがぱちぱちと音を鳴らす心地よい空間。こもれび山荘は、いつ、どんな経緯で改装したのでしょうか? 直撃訪問してきました! 【山小屋DATA】 山小屋の名前:北沢峠・こもれび山荘(旧・長衛荘) 山域:南アルプス 収容人員:110名 【改装DATA】 改装した年:2015年 改装したところ:1階の客室すべて、トイレ、カウンター、ホール 山小屋は我慢しなくていい。だから少しでも快適にしたかった ――どこか安堵感が漂っていて、まったりしたくなる雰囲気ですね。改装したところはどこですか? 改装したのは、おもに1階部分の客室スペース、トイレ、カウンター周り、ホールです。2階にも客室があるので、いずれは2階にも手を付けたいと思っていますが、やりたいと思ってもなかなかクリアできない課題があるんです。この小屋は伊那市の持ち物なので、まずどうして改装したいのかを理解してもらう必要がある。それに、、予算の確保はもちろん、消防法の兼ね合いもあるんです。 お話をうかがった竹元直亮さん。2009年頃よりこもれび山荘の管理人に就任 ――思い立ってすぐにできるわけではないんですね。どうして改装しようと思ったんですか? もともと客室は、仕切りのない雑魚寝スペースでした。でも、雑魚寝ってキツくないですか? 少なくともソロテントくらいのスペースがあれば、少しは快適になるだろうなと思ったんです。 加えて、うちには更衣室がひとつしかないので、とくに女の人は着替えたり、体を拭いたりするのが大変ですよね。でも、仕切りのカーテンがあれば、それを解消できる。それに、運営サイドとしても一個一個区切りになっていた方が案内も楽なんです。 客室は上下二段に分かれており、それぞれに布団、毛布、枕を完備 それに、慣れない環境でなかなか眠れない中、体育座りで座っているのは辛いじゃないですか。仕切りがないと周りに気を遣って本も読めないし。眠れないのは一番体力を消耗すると思うので、少しでも小屋の中を快適にしたいと思ったんです。それがキッカケですね。...