一度はやりたい古道ロングトレイル!女ふたりの大峯奥駈道縦走レポ(前編)
公開日test:20201030作成日test:20201129
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大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)は、約1300年前に役小角によってひらかれた、奈良県吉野から和歌山県熊野までを結ぶ修験道の修行の道。熊野古道のなかでももっとも長く険しい参道でもあり、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産登録されています。 登山客のファンも多い山域ですが、切り立った岩場やアップダウンも多く、比較的険しい山道が続きます。 女性は全てのルートを縦走できない!? 北側の山上ヶ岳には女人結界門があり、女性は立ち入れないため全てのルートを踏破することはできません。そのため、私たちはさらに南にある天川村の川合登山口から弥山(1,895m)へ登り、大峯奥駈道へ合流するルートをとることに。さらに十津川村の玉置神社までを、予備日を含め5泊6日で歩くことにしました。 1日目(川合登山口〜栃尾峠〜弥山小屋(冬期非難小屋)) 天川村にある天河弁財天は、水と芸術の女神である弁財天を祀る神社。近辺にある民宿びわさんに前泊し、神社で行われる朝の神事に参加しました。 今日目指すのは、この神社の奥宮がある弥山。しっかりお参りをして、登山口へと向かいます。 川合登山口からは、さっそく急登が続きます。送電鉄塔や林道を経由するなど、栃尾辻まではまだまだ麓の気配を感じながらの山歩き。弥山小屋は冬期小屋のみの開放で水場がないため、十分な水を背負って登らなければなりません。 約20キロのザックが肩にのめりこむ…。これ、最後まで保つんでしょうか。 弥山川源流が流れる狼平。土壁のなかに、大きなつららもできていました。 12月は本来ならばもっと雪が積もっているはずですが、暖冬の影響でほとんどありません。それでも吐く息は白く、鼻がつんとします。 弥山山頂が近づくにつれ、夕陽が山肌を赤く染めていきます。まるで雄叫びを上げているかのように真っ赤に光って落ちていきました。手前に見えているのが、八経岳。 山頂付近の、立ち枯れ木のシルエット。山の東側は、龍のうろこのような雲海が広がっています。 日が落ちるちょうどその瞬間に、弥山山頂へ到着。とても不思議な心地がする場所で、唐突に「この空の向こうには宇宙があるんだな」なんてことを考えたりしました。 弥山小屋はここから5分もないところにあり、二階建ての立派な山小屋ですが、冬は非難小屋のみ開放されています。体が冷えきる前にお湯をわかし、湯気でいっぱいのラーメンをすすり、シュラフに潜った瞬間、眠りに落ちました。 2日目(弥山小屋〜八経岳〜釈迦岳〜深仙小屋) 小屋に吹き付ける風の音で目覚めると、外は濃厚な霧に覆われていました。弥山小屋前を通る大峯奥駈道へいよいよ合流します。 霧のなかのシラビソが、時折人の気配のように感じられてどきっとします。 八経岳をすぎ、トウヒやシラビソの原生林と苔むす森を通ります。尾根筋より西側は風がなく、森のなかは静かで妙に温かいくらいでした。 苔とざらめ雪を足もとに見ながら歩いていると、だんだんそれが抹茶アイスに見えてきてしまいます。(縦走って常におなかが減りますよね!)...