登山家/山岳ガイドの花谷泰広さんに聞いた。ビギナーが手に入れるべき登山ウェアとは?
公開日test:20210913作成日test:20210913
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登山ウェアって種類が豊富で、どれを買っていいか迷いませんか? どのウェアも高性能をうたっているけれど、専門用語のカタカナだらけでよくわからない……。そうしてウェア選びが難航し、登山への第一歩を踏み出せない方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、登山家で山岳ガイドでもある花谷泰広さんに、初心者がまず手に入れるべき登山ウェアの種類とその見極め方を教えてもらいました。 彼自身は、高性能ウェアの代名詞でもあるゴアテックス ブランドの愛用者。これまで登山の相棒として、いくつもの山をともに乗り越えてきました。そんな世界中の登山家から愛されるブランドの魅力も、花谷さんが実際に着ている登山ウェアと併せてご紹介します。 今回お話を伺ったのは、登山家/山岳ガイドの花谷泰広さん 登山家/山岳ガイド花谷泰広さん 1976年、兵庫県神戸市生まれ。幼少の頃から六甲山に登り、高校と大学では山岳部へ。1996年にラトナチュリ峰(ネパール・7035m)に初登頂。 2012年にはキャシャール峰(ネパール・6770m)南ピラー初登攀で、ピオレドール賞を受賞。2017年より甲斐駒ヶ岳黒戸尾根の七丈小屋の運営を開始(日本山岳ガイド協会認定・山岳ガイドステージⅡ)。 まずは命に直結する3種のウェアを ― 登山ビギナーのウェア選びについて教えてください。 登山ウェアって、良質なものに越したことはないんです。ただ、すべてにハイスペックを求めるのは予算的に現実味がない。まずは肌着、シェル、靴を最低限押さえておきましょう。この3つは初心者であっても、投資を惜しむべきではありません。 ― その理由とは? 肌着からお願いします。 肌はカラダの中で最も温度に敏感な部分なので、その調節役となる肌着で手を抜いてはいけません。登山では汗をかいたり汗が冷えたりと、体温が上下する場面が多いのですが、優秀な肌着はそうした生理現象への対応力が高いんです。 たとえば汗をかいてもすぐに熱を逃がしてくれる放熱性だったり、速乾性だったり。体温を調整するための性能は、専門メーカーとそれ以外では歴然とした差が生まれます。 体温調節は命に直結する部分なので、肌着は良質なものを手に入れて、きちんと対策するべきだと思います。 ―...