「“憧れ”の上高地スノー・トレッキング」パーフェクトガイド Q&A形式で分かりやすくご紹介|上高地レポート(前編)
公開日test:20201030作成日test:20201129
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わたしが上高地を初めて訪ねたのは1997年の夏。当時はまだ釜トンネルが一車線しかなく、往路と復路のシャトルバスが交互通行をしていた時代です。元々釜トンネルには傾斜がありましたが、当時は内壁から水が染み出していたため、冬は凍結して人の行く手を阻んでいました。それが上高地は厳冬の北アルプスに向かう屈強な男と、一部の写真愛好家たちの独壇場といわれてきた理由です。 しかし、2005年に釜トンネルが2車線化されると同時に水漏れは解消され、現在は比較的容易に真冬の上高地へ足を運べるようになりました。 ところで、上高地ってどんなところ? 中部山岳国立公園内の標高約1500メートル地点にある上高地は、槍ヶ岳に源を発する梓(あずさ)川の河畔に広がる平坦地です。 北アルプスの登山基地であると同時に、日本を代表する山岳景勝地として、グリーンシーズンには国内外から約150万人もの観光客が訪れます。しかし11月15日の閉山祭が終わると、やがて雪に閉ざされ、本来の落ち着いた姿を取り戻します。 冬の上高地には、どうやって行くの? 上高地は岐阜県と長野県の県境に近い場所にありますが、「中の湯」から始まる上高地公園線は通年のマイカー規制が行われており、開山期間中は岐阜県の「平湯温泉」と、長野県の「沢渡(さわんど)」から「上高地バスターミナル」行きのシャトルバスが運行されます。 しかし閉山とともにシャトルバスの運行は終了し、上高地公園線は翌年の開山日まで全線通行止めになります。そのため上高地に行くには、「中の湯」まで路線バスかタクシーを利用し、そこから先はひたすら歩くことになるわけです。 スノー・トレッキングのルートと所要時間は? 「中の湯」から上高地の「河童橋」間を往復するのが、スノー・トレッキングの一般的なルートです。距離は往復で約15キロ。所要時間は現地での食事休憩を加味して、初心者なら6時間、山歩きに慣れた人なら5時間でも往復できると思います。 詳細コースガイド ※気象や積雪状況によって変わりますので、あくまでも「目安」と思ってください。 1. 中の湯(釜トンネル中の湯口) ⇒ 釜トンネル(上高地口) 所用時間:約30分 出口までずっと緩やかな上り坂が続きますので、ゆっくりめにスタートして体を慣らしてやるのが秘訣です。路面は乾いているので普通に歩けますが、トンネル内は照明が消されているためライトが必要です。 2. 釜トンネル(上高地口)...