“いちばん楽しかった頃の焚き火”へ。『直火台』という焚き火の原点回帰|TAKIBISMの哲学(後編)
公開日test:20200330作成日test:20200330
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焚き火のプロと鉄の達人によるアウトドアブランド「TAKIBISM」。彼らの作る焚き火台は、これまでのひと味もふた味も異なる、焚き火哲学が反映された『直火台』というプロダクトだった。 前編のTAKIBISMとしての初の商品である火吹き棒「ブレス・トゥ・ファイヤー」に続いて、彼らの焚き火哲学から生まれた焚き火台『直火台』へと話は広がる。 一目で他の焚き火台とは一線を画すということが認識できるこの『直火台』。 『直火台』を通じて世の中にどんな新しい提案を試みているのか。 TAKIBISMの寒川さん・槙塚さんに話を聞いてみると、返ってきたのは新しさとはある種真逆の、”焚き火の原点回帰”だった。 直火に極限まで近づける”低い”焚き火台 ーービジュアルのインパクトが目を引きますが、焚き火が世間的にも注力を集めている中、どんな想いでこの焚き火台を開発されたのでしょうか? 寒)焚き火台は焚き火における本丸です、火吹き棒とはわけが違います。だから焚き火台の開発は僕のなかでは封印していたようなものなんです。ものによっては批判が出てくる可能性もあるし、ここに手をかけるというのは相当な覚悟が必要でした。 手前:焚火カフェ主宰 寒川一さん / 奥:槙塚鐵工所 槙塚登さん 寒)焚き火台として個人的にリスペクトしているのはスノーピークとモノラルの焚き火台です。スノーピークは購入して以来15年以上使いつづけて感じる『堅牢性』と『組立不要』なところ、モノラルのワイヤーフレームは初めて海外(北極圏)での焚き火を実現できた『携帯性』と『美しさ』を備えた焚き火台です。スノーピークは焚き火台という定義を作ったようなオリジナリティーがあり、モノラルはザックに入れてどこにでも持ち運べる焚き火の世界を広げたエポックメイキングな存在感があります。 ただ両者の不満点として『足元が温かくない』 もっと足元が温かく、ぼくらの焚き火の原点に極力近づけるような焚き火台が作れないものか、と強く考えるようになりました。 ーー確かに、焚き火をしていても足の底が寒くて、足を火のほうに持ち上げることもしばしばあるように思いますね。 寒)それを解決する方法は、焚き火台を「低くする」しかないんです。 直火に対して厳しくなって久しいですが、ぼくらが20代の頃は焚き火台なんて世の中にない時代だから焚き火といえば直火だったんですよね。今となっては”焚き火をするのに焚き火台を使わないのは非常識”というのが世の中の認識になっています。 だけど、僕らは直火からはじめているから、焚き火台に対して違和感が当初からあったんです。もし今、自分が直火と焚き火台を自由に選べるんだったら直火を選びます。地面から熱がくる温かさ、そして自在性。人が増えたときや料理をしようとなったときに拡張できる。これは焚き火台では叶わないんです。...