【自然ビト05】登山派とかキャンプ派とか関係ない、本来全部つながっている|.HYAKKEIライター三野クリコ(後編)
公開日test:20201030作成日test:20201129
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前編では、生態を知ることでアウトドアがもっと面白くなることをご自身の原体験から語ってくれた三野さん。後編ではさらに自然やアウトドアについての深い考察をお話いただきました。 最初はアンチだった。けど、全部つながってる ——キャンプはいつから始めたんでしょうか? 結婚してアウトドア道具も増えて、登山に行った先々でキャンプをやる人を見てはいたので。そのあたりからですかね。旦那もアウトドアが好きでお互いフィールドは一緒だったので、自然と。 最初のうちは、キャンプはアンチだったんです。UL派だったし、全然自然じゃないじゃんって。 でもやってみたらULでもどっちでも楽しみ方としてはアリだなって思います。分けて考えれば良いし、実はかけ離れたものでもないんです。 ——かけ離れていないというと? サーフィンも山も結局繋がっているんですよ。サーフィンする時も山から流れて来る水で地形が変わってたりしますし。キャンプだって同じですよね。登山のフィールドは人が住めない地帯で、キャンプは里山で楽しむ、という一見は違いがありますが、結局は山と山の麓だったりする。 生態としては繋がっているんです、自然なんですから。 フレーム化する前から、ライフスタイルとして存在する ——登山派とか、キャンプ派とか。自然においては関係ないと。 仕事で東北に行った時に、またぎの人たちの生活を見たんです。彼らは山に入り、狩猟を自分たちでやるし道具も住処も自分たちで作る。登山もキャンプだってライフスタイルのひとつになっていたんです。今で言う“キャンプだよね”みたいなことって、昔から日本では生活の一部として行われていたんですよ。自然のことを全部知ってる、だからできるんです。 私たちも、キャンプ場じゃなくてもキャンプしていいところを見つけてやってます。そこで足りないものを用意したり、作ってみたり。 人って何かと名前を付けたがるじゃないですか、フレーム化というか。DIYとかキャンプとか。 もともとはその人のライフスタイルでしかないと思うんです。だから個人のライフスタイルを突き詰めていくことに尽きますよね。そこに○○派とか、関係ないです。 「根本から知るとすごく楽しいんです」 ——そうですね。そしてフレーム化によって、一時的な消費になってしまっている印象があります。 浅いもの、過ぎ去っていく消費のされ方をしていますよね。ただ単に楽しむだけでなく、“もっと知りたい”という機会が少ないんじゃないかなって。 たとえば、なぜこの日本酒がうまいのか、って考えてみる。それは水が良いから。ここの水が良いのは近くに良質な水源となる地形の山があるからとか。そんなことを感じながらその山で登山とかキャンプをやるのってなんて贅沢!って思う。 北アルプスの銀嶺の水で作られてる長野の地酒。これを飲むとアルプスの絶景を思い出します。...